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2025.03.05
旅館の住み込み仕事はきついのか?温泉旅館で働く仕事内容まとめ
旅館の住み込み仕事は、温泉地や観光地で働きながら生活するスタイルとして人気があります。
しかし、その一方で「きつい」という印象を持たれている職種でもあります。
本当に旅館の住み込みの仕事はきついのか、またきついと言われる理由やメリットについて気になる方も多いのではないでしょうか?
本記事では旅館の住み込み仕事について詳しく解説していきます。
旅館の住み込み仕事の概要
旅館の住み込みの仕事には実際にどのような仕事内容があるのか、年収はどれくらいなのか、仕事は実際に求人募集されているのか、など旅館の仕事について様々な疑問があると思います。
ここではそんな疑問を解消していくために、他の職種と比較しながら、一つずつ詳しくお伝えしていきます。
旅館の仕事内容
旅館の仕事には様々な業務があり、以下の仕事内容から一つ、場合によっては複数をこなす必要があります。
- 仲居(接客業務)
- 厨房スタッフ(調理・食事提供)
- フロント業務(受付・案内)
- 清掃スタッフ(客室や館内の清掃)
職種によっては必要なスキルや性質が全く異なるので、自分に合った職種を選びましょう。
それでは1つずつ具体的な仕事内容を紹介していきます。
仲居(接客業務)
お客様のお出迎えやお見送り、食事の配膳、布団の準備、観光案内など幅広い接客業務を担当します。
旅館の「顔」として重要なポジションです。
様々な場所で活動するため、体力とマナーが必要とされます。
また、他の職種に比べ、コミュニケーション能力も必要で、接客が好きな人に向いています。
フロント業務(受付・案内)
チェックイン・チェックアウトの手続きや予約管理、問い合わせ対応などを行います。
外国人の対応も増えているため、語学力が求められる場合もあります。
また、複数のお客様を管理しなくてはならないので、タスク管理能力やしっかりと記録する作業が得意な人に向いていると思います。
清掃スタッフ(客室や館内の清掃)
お客様が快適に過ごせるよう、客室や館内を清潔に保つ仕事です。
裏方の仕事ですが、旅館運営には欠かせない重要な役割です。
移動やかがむことが多いため、腰や足にかなり負担がかかる仕事です。
コミュニケーション能力は必要とされていませんが、最低限のマナーと体力が必要です。
旅館の住み込み仕事の年収
旅館の住み込み仕事をした場合の年収は、平均して250万円〜350万円程度とされています。
ただし、住み込みの場合は家賃や光熱費が不要で、食事が提供されることが多いため、実際に手元に残る金額は他の職種よりも多くなる場合があります。
年収を他の住み込みの仕事と比較すると以下のような傾向があります。
職種 | 平均年収 |
---|---|
旅館 | 250~350万円 |
工場勤務 | 300万円〜400万円 |
営業職 | 350万円〜500万円 |
病院、福祉サービス | 350万円〜500万円 |
営業職などと比べると旅館の住み込みは年収は低めですが、施設を利用できる特典や経験、やりがいを重視している人が多い印象です。
旅館の住み込み仕事がきついと言われる理由
旅館の住み込み仕事は「きつい」と言われることもあります。
実際は勤務時間が長かったり、覚えることが多かったり、お客さんの荷物を運ぶなど、意外にも力仕事な面もあります。
また、工場勤務などに比べ、1日の移動距離も長く、その場に留まって仕事をするというスタイルではないので、体力も必要です。
しかし、礼儀作法を学ぶことができたり、やりがいも沢山あるので、旅館で働くことが好きな人や忙しい方が好きという人にとってはおすすめです。
そして、旅館の住み込み仕事がきついと言われる主な理由は以下の通りです。
- 勤務時間が長い
- 接客などで常に人に気を使う
- 電波が悪い場所が多い
それでは、それぞれの旅館の住み込み仕事がきついと言われる理由について詳しく解説していきます。
勤務時間が長い
旅館では朝早くから朝食準備を行い、夜遅くまで夕食対応や片付けをすることがあり、勤務時間は10〜12時間になることも珍しくありません。
他職種と比べても長時間労働になりやすい点が特徴です。
また、旅館の仕事では「中抜けシフト」というシフトを採用している所も多く、朝食と夕食などの忙しい時間帯に働き、日中に数時間ほど休憩を挟むシフトのことを指します。
中抜けシフトは通しシフトよりも連続で働く時間が少ないため、休憩時間は勤務先によっても異なりますが、2〜5時間ほどの場合もあります。
そのため、拘束時間が長くなってしまいますが、慣れてくればその時間で仮眠を取ったり買い物に出かけたりと有効活用している人も多いです。
接客などで常に人に気を遣う
旅館ではお客様への対応はもちろんですが、同僚とのコミュニケーションも必要です。
旅館は複数の仕事で成り立っているため、他業種の人との連携が必須になってきます。
また、住み込みの場合、仕事が終わってからも先輩や同僚と顔を合わせるので、常に人に気を使うこともあるでしょう。
一人でリラックスできる空間や一人の時間がないことに対して、精神的に負担を感じる人もいます。
電波が悪い場所が多い
旅館の中には山奥や離島にある旅館もあります。
そういった場所ではスマホの電波が弱かったり、周囲に娯楽施設がないことがあり、退屈になってしまったり、不便さを感じる人もいるようです。
現代ではスマートフォンを持っていることが当たり前の時代なので、普段からスマートフォンを使っている人にとっては特にきついと感じる人も多いでしょう。
対策としては電波が必要ない暇つぶしができるもの(本やオフラインでできるゲーム機)を持ち込んでおくと気がまぎれると思います。
また、そういった場所が苦手な人は事前に派遣会社の担当者にその旨を伝えておくことをおすすめします。
仕事内容がきつい
先ほど少し紹介しましたが、旅館では意外にも力仕事や立ち仕事が多く、体力的にハードな場面もあります。
他の職種に比べ、一日の移動距離の長さやお客様の荷物運び、料理の提供など動き回ることが多く、特に繁忙期には長時間労働と重なるため、疲労感を感じることもあるでしょう。
旅館の住み込み仕事のメリット
ここまで、旅館の仕事についてきついと言われる部分やデメリットについて紹介していきましたが、一方で、旅館の住み込み仕事には多くのメリットもあります。
メリットをしっかり理解することで、きついと言われている旅館の仕事も見え方が変わってくるのではないでしょうか。
ここでは、旅館の仕事の魅力やメリットを詳しく紹介していきます。
旅館の住み込み仕事のメリットは以下の通りです。
- 温泉に入ることができる
- 貯金が貯まりやすい
- 旅館の食事を取ることができる
それでは、1つずつ見ていきましょう。
温泉に入ることができる旅館
ほとんどの旅館には温泉がついており、温泉付きの旅館で働く場合、従業員も温泉を利用できることがあります。
仕事終わりに入ったり、慣れている人は中抜けシフトの休憩時間を利用して入っている人も多いそうです。
平日でも温泉に入れる特別感や疲れた体を癒せるので、温泉好きにはたまらない環境です。
貯金が貯まりやすい
住み込みの場合、家賃や光熱費がかからないことが有名ですが、旅館の仕事の場合、後程説明しますが、食事を提供してくれる場合もあるので、食費がかなり浮きます。
また、周囲に娯楽施設が少ない環境であれば、買い物やお出かけなどをする機会がないので、自然と貯金が貯まりやすくなります。
旅館の食事を取ることができる
上で食費が浮くという紹介をしましたが、主な理由は旅館で出る賄いを食べることができるからです。
賄いは従業員向けに提供される食事で無料または通常よりも安く購入することができ、主にお昼休憩の時に旅館内の食堂や板前さんが作ってくれたりします。
多くの場合、旅館自慢の料理であり、食費を浮かせながら美味しい料理を楽しめる点は大きなメリットです。
旅館の住み込み仕事をした人の口コミ
ここでは実際に住み込みで働いた経験がある人に対して、当社でアンケートを取ってみたので、働いている人の実体験や感想をもとに、実際おすすめできるものなのかどうか、紹介・解説していきます。
まずは旅館で住み込み仕事をした経験者の口コミの紹介です。

基本的には趣味と兼ねていたので、とても楽しくバイトをしていた。特に施設などの利用にお金がかからず、自由時間など使い放題だったところはとても嬉しかった。同じ目的で来ている人も多いので、人間関係でギクシャクするところもないのも魅力的。

住む場所や食事の支給があり出費をかなり抑えることができたのはよかったですが、リゾート地なので周辺に商業施設がほとんどなく休みの日に楽しめる可能性があまりないことが大変でした。仕事も、お客様の予約や来店状況によって変化し思っていたよりも出勤日数がなく稼げなかったのがつらかったです。

環境を変えて観光地でお仕事ができ、多くの学びと楽しさがありました。
お客さんに接することでニーズが分かったほか、丁寧に対応した後、感謝の気持ちを言っていただけた時は嬉しかったです。
その上、そこそこの給料がもらえて、有意義な時間を過ごしました。
ここから解説になります。
口コミをまとめると施設を利用することでお金を節約できた方や施設目的でこういった仕事をしている方、上で紹介したように賄いで食費を浮かせていたり、周りに娯楽施設がないため、お金を使う機会が少なかったという意見が多いようです。
また、金銭面や生活面ではなく、やりがいや経験を積めたなどのポジティブな意見も多いです。
見た目はきつい、つらいというイメージが多い旅館での仕事もやってみると案外楽しいものなのかもしれません。
旅館の住み込み仕事や温泉バイトに向いている人
最後に、旅館の住み込み仕事や温泉バイトに向いている人の特徴を紹介していきます。
中には、自分にはハードルが高いのではないかと思われる方もいらっしゃると思います。
ですが、基本的に必要なスキルはなく、未経験で募集しているところも多いので、自分の性格や目標が条件にあっていれば、応募を考えても良いかもしれません。
旅館や温泉バイトに向いている人の特徴は以下の通りとなります。
- 接客が好きな人
- 短期間で貯金を貯めたい人
- 温泉旅館が好きな人
それでは、それぞれの理由について詳しく解説していきます。
接客が好きな人
接客が苦痛ではなく、お客様との触れ合いや要望を叶えてあげることを楽しめる人には最適な環境です。
笑顔で対応できる方は特に歓迎されます。
時にはお客様から心もとない言葉が飛んでくるかもしれませんが、大半のお客様がそうではないので気持ちを切り替えていくことが大切です。
また、お客様から感謝を伝えられることも多く、必要とされている意識ややりがいを感じやすい環境だと思います。
貯金を短期間で貯めたい人
先ほど紹介したように貯金が溜まりやすいため、短期間で貯金を貯めていた人にはおすすめです。
また、住居や食事の提供もあるため、通常の住み込みの仕事よりも貯金が貯まるスピードが早いのも特徴です。
旅館の近くに娯楽施設などがなければ、無駄にお金を消費する機会も少なく、断りずらい先輩からお出かけの誘いなども、周辺に何もなければあまりこないと思います。
節約しながら働けるため、短期間で効率よく貯金したい方にはぴったりです。
温泉旅館が好きな人
温泉や日本旅館独特の雰囲気が好きな人には理想的な職場です。
特に、普段から温泉によく入る人にはかなりおすすめです。
また、旅館自慢の食事も提供されるため、日頃の食費を浮かせたり、栄養バランスを気にする必要もありません。
旅館で働くことで日常とは違う特別な空間で働くことができます。
まとめ
本記事では旅館の住み込みの仕事について、きついと言われる原因やメリット・デメリットについて紹介しました。
旅館の住み込み仕事は、「きつい」と感じる部分もあります。
ですが、旅館の住み込み仕事はその分メリットも多くあります。
自分自身の性格や目標と照らし合わせて判断することが大切です。
温泉地で働きながら非日常を楽しみたい方にはおすすめの職種と言えるでしょう