コラム
Column
2025.02.10
寮付き求人は怪しい?寮費無料のからくりや住み込みの実態を調査
給料も安くなく、社員寮に住み込みで働けて、家賃もほぼかからない寮付きの求人があります。
ただ、条件が良い寮付き求人を見ると、そんなおいしい話は本当にあるのかと思われたこともあるのではないでしょうか?
今回は実際に働いたことがある人にアンケートを回答してもらい、
寮付き求人が怪しいものなのか?
どうして寮は無料で使うことができるのか?
上記の寮付き求人の実態について詳しく解説していきます。
寮付き求人は怪しいのか?
まずはYahoo知恵袋で条件が良い寮付き求人について、怪しいという口コミがありました。
質問者の人は求人誌でよく条件の良い寮付きの求人を見るが、条件が良いからこそ疑ってしまう。他の人の意見を聞いて怪しくなければ応募をしたいと考えている人です。
対して回答者は複数人いますが、ベストアンサーに選ばれていた回答はとにかく人集めのために好待遇を良く見せ、含みを持たせた内容だが、面談をすると話のズレがおきたり、実際に働いてみると説明された内容と違うことがあったりするとのことです。
また、私の方でいくつか寮付き求人の募集を実際に調べてみたところとんでもなく好条件なところがありました。
内容としては
- 工場での勤務
- 年収600万円程で資格不問
- 年間休日125日の週休二日制、8~17時勤務
- 社宅寮無料でプールやテニスコートなどもついている
また、決められた期間働いていただけたら、最大210万円の満了慰労金という報酬も出るそうで、毎月の給料と合わせると最大1700万円稼げるチャンス!という魅力的な求人を発見しました。
たしかにこんなに好条件ならば、私も実際に働いてみたいですが、どうしてもめちゃくちゃきつい労働環境じゃないか?残業が多いのではないか、社員寮の環境が劣悪なのではないかなど何か裏があるのでないかと思ってしまいますよね。
寮付き求人が怪しいと思われる理由
どうして、好条件の寮付き求人が怪しいと感じるのか、寮付き求人が怪しいと思われる理由は以下の通りです。
- 求人の掲載内容が不十分
- 給与が高く、寮費が無料
- その他好条件な仕事内容
上記のような理由で寮付き求人は怪しいと感じることがあり、また実際に応募して話を聞いてみると、条件と内容が違うなんてことがあるわけです。
応募する前に次に説明する点について、口コミやインターネットなどを活用して、異なる情報が記載されていないか、事前に確認しておきましょう。
求人の記載内容が不十分
多くの求人には入社して実際に働くことになった場合の仕事内容や条件が細かく掲載されています。
理由としては、入社後に仕事内容や条件などが理由で退職するのを防ぐために応募条件にできる限り詳しい情報を掲載するのが基本です。
しかし、勤務体系が悪い求人だと必要最低限の情報しか掲載されておらず、残業の有無や各種手当、社員寮の部屋情報などが掲載されていないケースもあります。
実際に働いてからこんな環境だと思わなかった、、、と後悔する可能性もあるので、求人の記載内容が不十分だと何か隠していることがあるんじゃないかと考えてしまい、結果怪しいと感じてしまうのです。
給与が高く、寮費が無料
無資格で給与が高く、寮費まで無料。
こんな好条件であれば皆やっているだろうし、無資格で給与が高い仕事はなんだか高リスクな感じがしますよね。
そして、実際給与が高いということは残業が多い仕事や怪我などのリスクが高い仕事、責任感が重い仕事など、何かしらの理由があるはずです。
また、寮費が無料ということは寮の管理費をできるだけ安くして提供しているということなので、築年数がかなり経過していたり、一部設備が使えなくなっている場合もあります。
給与が良くてもプライベートな時間が確保できない人やリスクを恐れている人、社員寮の環境がひどいと人は辞めていってしまうものなのです。
そういった不安要素を公開していないケースがあるため、怪しむ人も多いと思います。
その他好条件な仕事内容
異常に高収入だったり、社用車、自宅の提供などの好条件すぎる求人には、もしかすると応募時に個人情報を抜き取られて悪用される危険性があるので、注意が必要です。
例えば入社祝い金300万円や応募するだけで10万円など明らかに怪しい求人も存在します。
基本的に就活エージェントを活用すればほぼ、悪徳業者に引っかかることはないと思いますが、十分注意しましょう。
寮付き求人の多い業界や職種
ここまで、好条件の仕事内容や求人内容の情報が少ない寮付き求人は注意する必要があると記載しましたが、寮付き求人自体は全て怪しいということではありません。
今まで紹介した例は一部のものであり、現在でも寮付きの仕事をしている人は沢山います。
しかし、寮付き求人には寮を利用した方が効率が良い職種でないと基本的に募集はしていないので、自分がやりたい仕事に社宅寮がついているとは限りません。
そこで寮付き求人が多い業界について、実際に働いている人を対象にアンケートを実施しました。
結果として、寮付き求人では工場や建築土木業界、リゾートバイトやホテル業界、病院や福祉施設関係が多いことがわかりました。
それぞれの仕事内容や寮付き求人が多い理由について解説いたします。
リゾートバイト・ホテル業界
リゾートバイト・ホテル業界はホテルなどに来るお客様の対応業務が主な仕事です。
フロントでの受付や電話対応、ルームサービス、食事の提供、退出後の清掃、アメニティの補充などホテル内でも役割分担されているので、接客が得意な人は受付やルームサービス、接客が苦手な人は料理系や清掃系が向いていると思います。
寮付きが多い理由としてはホテルにお客様が宿泊しているので、何かあった際に対応できる人が在中していなければならないという理由と地方や観光地などにあることも多く通勤に時間がかかってしまうような場所であるからだと思います。
工場・建築土木業界
工場勤務については部品の組み立てや製造を行う仕事で黙々と作業を続けたい人に向いています。
建築土木業界は建物の建築作業、資材の運送、修復修繕作業などが主な仕事になります。
どちらも体力に自信がある人に向いており、男性向けの仕事になります。
寮付き求人が多い理由としては、工場の場合、工場の立地条件による人材確保の難しさにあります。
建築土木業界については仕事現場が多方面であり、それに伴って労働者に寮や宿泊をさせることで遠方からの通勤の負担軽減をしているからだそうです。
病院・福祉施設
病院・福祉施設についてはホテルに似ている部分もあり、受付、看護、診察、事務関係など常に人が在中していなければならないサービスという理由と慢性的に人手不足な業界でもあります。
人材確保という面で他の業種よりもマンパワーが必要な仕事でもあるため、寮付きという福利厚生の強化をしなければ人手が足りない現状なのです。
寮費が無料のからくり
住み込み求人の中には寮費が無料の求人もあることが魅力的ですが、もちろん全ての寮が無料というわけではありません。
寮費がかかる場合には一般的に月平均15000円程度になります。
そもそもなぜそんなに寮費が無料または一部負担で済むのか、からくりを説明いたします。
それは結論から申し上げますと、求人から応募を多数集めるためが多いです。
寮費無料または一部負担は大きな福利厚生として人材確保に有利に働きます。
同じ職種で同じくらいの給料であれば寮がついている方が経済面で大きなメリットがあるからです。
また、工場などの職種は人が定着しにくい面があり、普通の募集要項では中々人が集まりにくいという特性があるので、人材確保するために普通の求人よりも福利厚生を強化しなくてはならないのです。
住み込みで働いた人の口コミ
実際に寮付き求人を怪しいと思われている人も一定数存在しており、ここまで紹介した不安要素(仕事内容や社員寮の環境)を強くイメージされている人もいますが、実際に働いた経験がある人に対して行ったアンケートでは寮付き求人はおすすめと言っている人もいるのです。
寮付きで働くことをおすすめされている口コミを紹介いたします。

寮付きは、慣れれば楽というのは働くうえでとても大きいと思います。
最初はつらかったり、しんどい思いをしたりするかもしれませんが、慣れてしまえば普通の人よりもお金は貯めやすい環境になり、職場が近いと考えればとてもメリットが大きいと思います。
しかし、寮がついていない仕事でも慣れていない期間はつらいことやしんどい思いをする人も多いので、我慢できるかどうかが大事になるでしょう。

社員寮の中で親しい仲間を作ることができれば、お互いに寝坊防止のために起こしあうアイデアはとても斬新ですね。
そういった協力関係が作れることも寮付き求人の魅力だと思います。
他にも仕事中に連携が取りやすくなったり、情報交換ができるのも良いですよね。

仕事の悩みを相談する機会って勤務時間中では中々ないですよね。
私は一緒にご飯や飲みに行ったりするときに相談することが多いのですが、距離感が近い社員寮では相談しやすい環境なのかもしれません。
その他の社員寮や住み込みで働いた経験がある人の口コミは、社員寮や住み込みで向いている、向いていない人の特徴の記事でまとめてあります。
寮付き求人の騙されない選び方
次に寮付き求人に応募する際に注意すべきことについて解説していきます。
応募する際は以下の点に注意して応募を考えてください。
- 勤務内容の詳細
- 給与や条件が異常に好待遇
- 企業情報の情報不足
では寮付き求人に応募する際のそれぞれの注意点について詳しく解説していきます。
勤務内容の詳細
寮付き求人の特性には人が集まりにくい、定着しにくいという職種が多いです。
募集要項の勤務内容をしっかりと確認して、自分に合っているか判断しましょう。
今は改善されている企業もあるとは思いますが、少し前まで寮付き求人にはきつい・汚い・危険の3Kが揃っている仕事としての印象が強く持たれていました。
いまだに改善が済んでいない企業も一部存在していると思うので、インターネット上の情報や口コミなどを見て、大丈夫か判断しましょう。
給与や条件が異常に好待遇
給与や条件が異常に良いと、つい飛びついてしまいますが、そういった求人を見た際には疑って内容を確認しましょう。
よくあるケースとしては年収は高くてもそれは残業時間を含めたものを掲載していたり、仕事内容がすごくハードだったりすることがあります。
こちらも口コミなどがないか十分確認した上で応募した方が後々後悔することはないでしょう。
企業情報の情報不足
企業のホームページや口コミがない企業にも注意しましょう。
例外ではありますが、応募時に個人情報を抜き取ろうとする業者もいるそうです。
好条件で応募者を釣り、応募時に個人情報を記入させる手法で抜き取られた人も気づかなかったなんてこともあります。
今時、ホームページがない寮付き求人はほぼ存在していないと思うので、良い条件の求人を発見しても、応募する際は事前に調べておくことを忘れないようにしましょう。
まとめ
本記事では寮付き求人は本当に怪しいのか?について紹介しました。
寮付き求人自体には問題がなく、自分の働き方や将来の目的の為に今でも働いている人がいます。
寮付き求人は
「きつい仕事」
「寮生活はつらい環境だ」
とイメージされている人が多いと思います。
ですが、年々労働環境も改善の方向に向かっており、個人的には社員寮に生活するには大きな福利厚生を受ける分、忍耐力が必要なものなのかもしれないと思っています。
しかし、良い寮付き求人を装って、法外な労働環境で働かせようと考えている企業や悪徳業者も少数ですが存在します。
そんなことにならない為にも、寮付き求人に限らず、今の時代は事前に調べておくことが大切です。