コラム
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2025.04.08
住み込み求人で正社員募集はある?寮付きで高収入を期待できる職種も

社宅や社員寮に住みながら勤務する働き方である住み込み求人は生活費を抑えることができるため、人気の求人です。
ただ、リゾートバイトなどの短期バイトなどのイメージが強いと思います。
アルバイトや契約社員には雇用期間が定められているため、ずっとその環境で働くことは難しいです。
できれば正社員で社員寮でずっと生活したいと考える人もいるでしょう。
そこで、本記事では正社員で住み込み求人の募集はあるのか、短期バイトと比較して条件などはどうなのか詳しく解説していきます。
目次
住み込み求人の正社員募集について
まず、結論として正社員の住み込み求人は多数あります。
そもそも住み込み求人とは、会社側で用意してもらった社員寮や社宅などに住みながら勤務をする働き方ができる求人内容を指します。
会社の福利厚生として、家賃や光熱費を一定割合、または全額会社負担してくれることもあります。
あくまで福利厚生の一種として存在する住み込み求人なので、アルバイトやパートから派遣社員、契約社員、正社員、公務員など様々な雇用形態で募集されています。
しかし、それぞれの雇用形態にどれくらいの住み込み求人が存在するのかについては、少し偏りがあり、住み込み求人の場合、契約社員や派遣社員、短期バイトの募集が多いイメージの方もいると思います。
では正社員に関しては、住み込み求人の割合はどれくらいなのか気になりますよね。
ここでは、住み込み求人の正社員募集の割合や短期バイトとの条件の違い、働く期間について詳しく解説していきます。
寮付きの住み込み求人の正社員募集割合
まず、2025年4月現在、大手求人サイトにて、住み込みや社宅、寮付きの求人数と、この条件に正社員の条件を加え、検索してみました。
結果としては以下の通りとなります。
・インディード
全体の住み込み求人件数 1,533,000件
正社員の住み込み求人件数 1,053,000件
・求人ボックス
全体の住み込み求人件数 931,761件
正社員の住み込み求人件数 664,217件
・ジョブハウス工場
全体の住み込み求人件数 31,835件
正社員の住み込み求人件数 9,800件
合計すると全体の求人件数は約250万件、正社員では約170万件となりました。
意外にも全体の中で7割近くが正社員での募集という結果になりました。
この結果を見ると住み込み求人の募集は十分あると言えますね。
住み込み求人で正社員と短期バイトを比較
通常であれば、正社員とアルバイトを比較したときに正社員の場合、毎月給料が固定、ボーナスがある、収入が安定している、給料が上がるなどのイメージがあると思います。
対して、アルバイトのイメージとしては、収入が安定的ではない、時給制、勤務時間が変動的、やったらやった分だけ稼げるなどのイメージがあると思います。
では実際、住み込み求人の場合は正社員とアルバイトを比較したらどうなのでしょうか。
両者の給料や条件などを調べてみた結果、以下の通りとなりました。
正社員 | 短期バイト | |
---|---|---|
給料平均 | 平均月収25~35万円 勤続年数に応じて上がる可能性あり |
平均時給1,200~1500円 |
勤務時間 | 固定時間制、シフト制 | シフト制、短時間勤務可 |
福利厚生 | インセンティブ報酬 リフレッシュ休暇 社員旅行 資格取得手当、役職手当など |
入社祝い金 日払い週払い可 正社員登用あり 食費補助など |
上記の表は正社員と短期バイトを比較した時にどういった条件が多いのかをまとめたものです。
あくまで給料、勤務時間、福利厚生などは会社の方針によって決まる為、正社員、短期バイトの差というのはあまりありません。
しかし、正社員の方がインセンティブ報酬やリフレッシュ休暇などの福利厚生を取り入れている傾向にあります。
対して、短期バイトは長期的に働くことを考えられていないので、勤続年数に応じて給料は上がりにくく、自分で働く日数、時間を決めるためリフレッシュ休暇などのまとまった休暇の制度は採用されていないでしょう。
給料に関しても同様に正社員と短期バイトで大きな違いはありませんでした。
もちろん、長く働くことを考える正社員の方が勤続年数や取得資格に応じて給料が上がるので、長い目でみれば稼げます。
しかし、勤務1~3年目くらいまではあまり大きな差はありません。
むしろ短期バイトの方が、短い期間のみ雇用することを考えているので、人を集めるために少し給料を高めに設定している場合もあります。
正社員の条件で寮付き住み込みで働く期間は?
先ほど、正社員と短期バイトの比較で、勤務期間の違いが福利厚生や給料に影響を及ぼす可能性があることをお伝えしました。
そもそも短期バイトや正社員で、住み込みで働く期間は平均どれくらいなのか?
結論として、短期バイトは法律で決まっていたり、定義されているわけではありませんが、一般的に3か月程度の勤務期間を指します。
アルバイトの雇用契約上は最長3年雇用することが可能ですが、そう考えると短期バイトはかなり短めですね。
それに対して正社員の場合、雇用期間に決まりがない無期雇用という雇用形態になります。
そのため、基本的には住み込み求人の正社員募集は長く働くことを想定して募集をされています。
しかし、住み込みでの仕事の場合、途中で退職する人や転職する人ももちろんいます。
なので、インターネット上で正社員の場合はどれくらい続けている人がいるのか調べてみました。
結果として大手のサイトが出している統計データなどを見つけることができなかったので、SNSなどの口コミで正社員の勤続年数を確認してみたところ、平均は3~5年程度という印象でした。
社員寮や社宅が合わなかった人は1年前後で退職をしている場合もあり、環境が合う人は5年以上住んでいる人もいます。
中には会社で社員寮や社宅が利用できるのは〇年間という社内規定がある場合、その上限期間で退職している人もいます。
寮付きの住み込みで正社員募集している求人例
では住み込み求人の正社員募集には実際にどういった内容の求人があるのでしょうか。
ここでは、住み込み求人の正社員募集の例を5つほど紹介していきます。
ここで紹介する求人内容はあくまでも一部のものなので、実際に探す際には条件が異なる場合も考えられるため、注意が必要です。
神奈川県|看護師の住み込み求人
給料:月給 26.5万円 ~ 30.0万円
勤務時間:8:30~17:30(休憩1時間)
休日:完全週休2日制(土日)
福利厚生:社宅完備、毎月店舗インセンティブ手当(5000円~2万円)、起業(独立)支援制度、社員旅行
仕事内容:軽度な高齢者向けのリハビリ型のデイサービスです。
具体的には利用者に合わせたリハビリのサポート業務を行っていきます。
看護師には資格が必要だと思われがちですが、医療行為を必要としない場合は資格がなくても働くことができます。
働きながら、資格をとったりすることも可能です。
この求人の特徴は店舗によってインセンティブ報酬の金額が異なることと、起業支援制度があることです。
将来独立を考えている人はこういった制度がある会社で下積みしていけば、より短い時間で独立ができると思います。
埼玉県|内装工事の職人
給料:月給35万円~58万円
勤務時間:8:00~18:00(休憩2h)
休日:完全週休二日制
福利厚生:賞与年2回、育成手当有、寮完備/規定全員に一律で支払われる通勤・皆勤・家族手当金額
仕事内容:新築の戸建て住宅の断熱材の工事を2、3人のチームで行います。
雨に濡れることはなく、内装工事となります。
職人系のお仕事なので、身体を使っていく仕事になります。
未経験でも応募が可能で、ボーナスもあります。
この求人は豊富な手当があるのが特徴で、寮もあるので生活費を抑えながら様々な手当を貰えれば、月に使えるお金はかなり増えていくでしょう。
埼玉県|製造スタッフ
給料:月給 25.0万円 ~ 47.5万円
勤務時間:固定時間制 09:00 ~ 18:00(休憩時間は1時間)
休日:完全週休2日制(土日)
福利厚生:交通費支給あり、寮・社宅・住宅手当あり、夏季休暇、出産・育児休暇
仕事内容:ゲーム機やコントローラーの組み立て・検査、アーケード筐体の部品加工・組み立て、フィギュアやグッズの梱包・検品・出荷作業、製品の品質チェック(動作テスト・キズ確認など)を行います。
未経験でも応募可能で、ゲームやフィギュアなどが好きな人、手先が器用な人にはおすすめです。
比較的、身体に負担の少ない業務となるので、体力に自信がない方でも安心して働けます。
福利厚生の特徴としては出産・育児休暇も取り入れているので、女性の方にもおすすめです。
東京都|一般事務
給料:月給 23万円 ~ 35万円
勤務時間:勤務時間:10:00〜19:00(時差出勤制度あり)
休日:・完全週休2日制(土日祝休)
福利厚生:上京支援金(3万円)、自己学習に関する本の貸し出し、寮・社宅・住宅手当ありオンラインでの選考可能、服装自由、交通費支給あり、産休・育休の取得実績あり
仕事内容:パソコンでデータ入力、お客様からの電話やメール対応、会議のメモや資料を作る、ITプロジェクトのスケジュール管理、PCのセットアップなどの業務を行います。
住み込み求人には珍しい事務のお仕事となります。
この求人の特徴としては、上京支援金が貰えるので、他の地域から就職する人にとっても初期費用に充てることができます。
オンラインでの選考も可能なので、就職するためにわざわざ交通費をかけて採用面接に行く手間を省けるのも大きな特徴です。
もちろん未経験でも応募可能で、働きながら、業務上役に立つ資格を取っていくこともできます。
大阪府|生活・就労支援施設の支援員
給料: 月給 27万円 ~ 35万円
勤務時間:9:00~18:00
休日:完全週休2日制(土日祝)
福利厚生:賞与年間2回、サービス管理責任者通勤・皆勤・家族手当、交通費全額支給、資格取得代全額補助、社宅あり
仕事内容:簡単なパソコンのデータ入力作業や普通乗用車での近隣の利用者さんの送迎などを行います。
他にも障がい者支援施設での利用者さんの身の回りのお手伝いや簡単な内職作業の補助を担当します。
未経験でも可能ですが、送迎を行うため、運転免許が必要となります。
この求人は、資格取得代金を全額補助してくれることが大きな特徴です。
保有資格に応じて、月給も最大で10万円アップすることも可能です。
費用をかけずに資格を取ることができるので、勉強するだけで給料があがります。
具体的には介護福祉士、社会福祉士、看護師、精神保険福祉士、心理士など様々な資格が該当します。
元々、上記の資格を持っている人やこれからこの業界で働いていきたいという方にもおすすめです。
正社員で寮付きの住み込み求人に応募する際のポイント
では実際の求人例を確認できたところで、最後に正社員で住み込み求人に応募する際の注意点について解説していきます。
正社員は長期的に働くことを想定し、契約社員やアルバイトよりも求人内容をしっかり確認しておくことが継続して働いてくうえで重要となります。
それでは、注目すべきポイントについて解説していきます。
寮や社宅の間取りを確認しておく
まずは、寮や社宅の情報を確認しておきましょう。
具体的には、寮や社宅の所在地、勤務地からの移動距離などを確認しておきましょう。
ほぼ毎日通うことを考え、なるべく移動時間がかからない場所にあると自分の時間や睡眠時間を増やすことに繋がります。
他にもスーパーやコンビニ、娯楽施設など、寮の周りに何があるのかも重要です。
住み込み求人の中にはリゾートホテルのスタッフなど自然に囲まれた場所で勤務する場合もあります。
そういった場所では、休日にやることがなかったり、急に必要なものが出てきたときに対応できない可能性があります。
また、寮や社宅の間取りや部屋のタイプも重要です。
社員寮と社宅には以下のような特徴があります。
社員寮
- 単身者向け
- 外部の人は立ち入り禁止
- トイレやお風呂、キッチンなどを共有で使う場合がある
- 食堂がついている場合がある
- 相部屋の場合がある
生活環境は社宅に比べて、良いものとは言えませんが、中には寮費や光熱費が無料であったり、食堂が付いている寮であれば、食費も安く済ませることができます。
その分、生活スペースは限られており、自分のプライベートな時間を作りにくいという特徴もありますが、社員寮は生活費を節約したい人におすすめです。
住み込み求人で、寮費無料のからくりについては別記事で詳しく解説していますので、興味があればぜひ一緒に確認してみてください。
社宅
- 世帯向け
- マンションタイプが多い
- 通常の一人暮らしとあまり変わらない
- 家族と一緒に住める場合がある
- プライベートな時間を作りやすい
社宅は通常の暮らしとあまり変わりがなく、他の社員との接点も少ない状態で生活することができます。
家賃も会社が一部負担してくれるので、普通に賃貸契約するよりも安く済ませることができます。
家族や友人も呼ぶことが許されている社宅もありますので、あまりストレスを感じずに生活ができると思います。
しかし、厳密には寮と社宅の違いはなく、企業によって名称が異なる場合もあります。
なので、一概に上記のような特徴が当てはまるとは限りません。
そのため、住み込み求人に応募する際には一度、ネットで口コミを確認したり、採用担当者に確認してみるのがより確実です。
社宅や社員寮の環境で自分の生活環境が左右されます。
寮や社宅が原因で退職する人も少ないので、長期的に働くことを考えているのであれば、自分に適した環境で生活することが重要です。
ちなみに、住み込み求人の中には借り上げ社宅や借り上げ寮などもあります。
借り上げ社宅とはなにか、メリットやデメリットも別記事で解説していますので、ぜひ知識として身につけておくことをおすすめします。
長期で働くことになるので仕事内容を確認
次に仕事内容が自分に適しているものか確認しておきましょう。
先ほど同様に長期で働くことになるので、肉体的、精神的な負担がどれくらいあるのかを調べて、自分に問題がないか確認しておくことが重要です。
特に、身体を酷使するような職場では若い時には問題なかったが、年を重ねていくにつれてしんどくなってきたり、身体を壊してしまう原因にもなりかねません。
適度な運動程度の仕事内容であれば問題はありませんが、激務だと働き続けるのも苦しいでしょう。
肉体的、精神的負担が少ない仕事の特徴としては、身体を適度に使う仕事、天候に左右されない室内で行える仕事がおすすめです。
住み込み求人が募集されている職種、仕事のまとめも別記事で紹介していますので、自分にあった仕事をぜひ見つけてみてください。
求人の条件をしっかりと確認
企業の福利厚生なども確認しておきましょう。
福利厚生は直接収入に影響しなくとも、生活費を抑える制度や無料でサービスを受けれる制度もあるので、しっかりと利用すれば、日々の費用も抑えることができ、実質手取りが増えたとも言えるでしょう。
先ほど、社員寮の紹介で食堂付きの寮であれば、食費を安く済ませることを紹介しましたが、その他にも寮費や家賃が給料から天引きされるのか、あとから自分で支払うのかでも徴収される税金が変わるので、手取りが変わってきます。
通常であれば、収入に対して税金が引かれますが、住み込みの仕事で寮費や家賃が給料から天引きされる場合、通常の収入から家賃や寮費を引かれた状態が課税の対象となります。
日本の所得税は累進課税で、収入が増えれば、掛かる税率も増えていきます。
そのため、同じ金額の家賃を支払うのでも、給料から天引きされている場合と支給されたあとに支払う方法では手取り額が変化します。
住宅手当や家賃補助などは給料に家賃分を加算している場合があり、天引きよりも税金が多く掛かっている可能性があるので、注意が必要です。
他にもインセンティブ報酬がどういった形で支給されるかなど、求人の条件をしっかり確認しておくことが重要です。
まとめ
本記事では正社員で住み込み求人の募集があるのか、短期バイトとの違いについて解説していきました。
正社員での住み込み求人の募集は多数あることがわかりました。
また、条件の大きな違いとしては福利厚生が長期的に働くことを想定して設定されていることが多いです。
そのため、生活費を抑えながら今後の給料をあげていきたい、自分のキャリアを確立させていきたいと考えている人は正社員の住み込みの仕事がおすすめです。