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Column
2025.02.06
寮付き求人のメリットとデメリットまとめ!申し込む前に調べておくことは?
お仕事を探している中で、一度は「社宅あり!」「寮あり!」という求人をご覧になったことはないでしょうか。
私は以前、寮付き求人を見て、どんなイメージなのかあまり想像できていませんでした。
どんな場所で暮らすことになるのか、普通に一人暮らしするのと比べて家賃などの費用はどれくらいちがうか、準備すべきものと注意点はどんなこと?
など求人の応募に迷っている方向けに寮付き求人のメリットやデメリット、応募する前の注意点などを解説してきます。
実は私自身も寮に住み込みで働いていた経験があるのですが、今回は私の経験だけではなく、色々な寮付きの職種についても解説しているので、これから応募を検討している方には必見の内容になっております。
それではまず、寮付き求人とはどういったもの求人なのか、解説させていただきます。
寮付き求人とは?
寮付き求人とは、雇っている企業側が管理している住居や寮に住むことができる仕事の求人になります。
基本的にはアルバイトや社員として働く人に対する「福利厚生」の一部であり、職場から近い場合や家賃が安かったり、中には家賃が無料の企業もあり、働く人にとっては大きなメリットがあるのが特徴です。
基本的には退職・転勤以外で寮から出なくてはいけないという期限はありませんが、企業によっては特殊な条件がある場合があります。
寮付きの部屋タイプ
寮付きのお仕事では主に3つのタイプがあります。
- アパートやマンションの一室
- 相部屋タイプ
- 1人部屋タイプ
ご自身のパーソナルスペースにも関わってくる重要な部分でもありますので、求人に応募するときには、部屋の情報が出ているか確認してみましょう。
それでは寮付きの部屋タイプについて、1つずつ特徴を紹介していきます。
アパートやマンション
アパートやマンションタイプとはその名の通り、マンションやアパートの一室に住むことが出来ます。
隣人が会社の人という部分以外は、ほとんど1人暮らしと変わらないような環境です。
しかし、1人暮らし同様に下の階や隣に人が住んでいるので、物音や振動に気を使う必要があります。
ご自身のプライベート空間をしっかり確保したい方にはオススメです。
相部屋による共同生活
相部屋とは一人部屋に複数人で居住するような形で、同僚や先輩などと同じ部屋で生活する必要があります。
仕事仲間とたくさん話す機会があり、1人でいることが寂しい方にはオススメです。
しかし、洗面所やキッチン、電化製品は共用の物を使うケースが多く、自分の物を他人に使われたくない方にはご自身で電化製品を買ったり、銭湯に行ったりなど、工夫が必要になるかもしれません。
相部屋は人間関係によって、休みの日でも気が休まらないことや険悪な人間関係の場合、家に帰りずらいなど仕事面以外でもストレスになってしまうケースもあるので、注意が必要です。
一人部屋
一人部屋とは洗面所やトイレなどは共用スペースとして利用をするものの、自分の部屋が確保されているタイプです。
自分の部屋にはベッドがあらかじめ置かれているケースが多く、衣類や私物は部屋に置いておき、基本的には自分の部屋で過ごし、トイレやお風呂に入るときには自分の部屋から出て共用の物を利用するようなイメージです。
中には共用スペースに食堂やテレビが置いてある部屋などもあり、1人で居たいときは自分の部屋で過ごし、誰かと話したいときなどは共用スペースで過ごすということもできます。
しかし、生活の全てを1人で過ごすことは不可能なので、ある程度のコミュニケーションは取ることが必要です。
ある程度、人と関わりたい人にオススメです。
寮付きの主な仕事
寮付き求人には様々な職種が存在します。
その中でも寮付きが多い仕事の上位3つは以下の通りです。
上位3つの仕事内容については後程詳しく説明していきます。
- 工場
- ホテル関係
- 営業
その他にも福祉サービスの仕事やパチンコ店など様々な仕事内容で寮付き求人の募集が存在します。
下の表の中であなたのやりたい仕事内容があるのか、一度確認してみましょう。
工場はシフト制で勤務している方が多く主に部品の製造や組み立て作業が多いのが特徴です。
基本的に同じ作業を繰り返すことが多いので余計なことを考えずに作業をしたいという方にはオススメです。
ホテル関係の仕事も同じくシフト制でホテルのお客様が何かあったときのために常に稼働しているため、日勤、夜勤をまぜて働くイメージになります。
主に受付や清掃、食事の提供などがメイン業務で、接客が得意な人にはオススメです。
また、ホテル内の施設などを無料で利用できるケースもあるので、お得感がありますよね。
営業職は主に自社製品やサービスを個人や企業に対して売りに行くことがメイン業務です。
電話対応や商談、提案資料の作成などがメイン業務で、誰かと話すことが好きな人にオススメです。
さらにほとんどの営業職には契約件数や販売件数によって歩合制で追加給料を貰えるケースが多いので頑張り次第では提示されている給料よりも多く貰えることもあります。
寮付き求人のメリット
次にメリットの紹介ですが、普通に生活するよりも大きなメリットが沢山ある寮付き求人ですが、ここでは以下のメリットをどんな良いことに繋がるのか具体的に紹介していきます。
- 生活費を抑えて貯金ができる
- 職場から近い
- 職場の仲間ができる
- 住居探しが不要
生活費を抑えて貯金ができる
寮に住み込みで仕事する場合は、家賃、光熱費などが安くなり、企業によっては無料のところもあります。
家賃額の自己負担額は平均すると大体月数千円~3万円ほどになります。
さらにその中に光熱費が含まれているケースも多いようです。
また、普通に一人暮らしする場合にかかってくる不動産契約時にかかる敷金・礼金、不動産仲介手数料がかからないため、初期費用もかなり抑えることが出来ます。
そう考えると寮付き求人にかかる生活費は
- 家賃・光熱費:数千~3万円
- 食費:3万円
- スマートフォン通信料:数千~1万円
多く見積もっても7万円ほどしかかからないことになります。
また、多くはないですが、食事付きの寮もあり、食費が一部安くなる場合や無料の場所もあるようです。
実際、私自身も寮での住み込みで働いた経験が1年半ほどあるのですが、家賃・光熱費は月1500円で、節約の意識はしていなかったのですが、1年半の期間の中で100万円ほど貯金できました。
職場から近い
基本的には職場から寮の距離はとても近く、寮のすぐ隣に職場があるケースもあります。
寮と職場が近いことで、普通だったらかかる「通勤時間」というものがなくなり、その分プライベートの時間を増やすことが出来ます。
「通勤時間」はお給料が出るわけでもないのに自由な時間ではないため、実質拘束時間の中に含まれているといってもいいと言えるでしょう。
通勤時間を減らすことで、その分好きなことに時間を使ったり、お休みの時間に使ったりできるので、大きなメリットだと思います。
朝、寝坊をしてしまうという方でも、ギリギリまで寝ることが出来るなんて話もよく聞きます。
しかし、寮によっては場所が少し離れているケースもあるようなので、グーグルマップなどで事前に調べておくことをオススメします。
職場の仲間ができる
相部屋などの場合は寮に住んでいると必ずといっていいほど仕事仲間の人と顔を合わせることになります。
生活を共にする中で気が合う仲間との出会いもあると思います。
その中で日々の仕事の悩みを打ち明けたり、情報交換がしやすくなったり、就業中に連携が取れやすくなったりと仕事をしていくうえで良いこともたくさんあります。
また、プライベートの面でも遊びに行く仲間ができたり、共通の趣味をもった仲間と出会うことができたりと充実している人も少なくありません。
寮生活を経験された方の中には退職や転勤した今でも連絡を取り合う仲間が出来たという方々もいるほどです。
中々自分から声をかけづらかったり、飲み会や遊びに誘うのが苦手な方には良い経験になると思います。
住居探しが不要
寮付き求人には仕事が決まると同時に住居も決まることになるので、物件探しが手間になる人や迷ってしまう方、わけあって審査に通りづらい方などにもオススメです。
また、電気・ガス・水道などの契約も必要ないので、面倒なことを考えることはなにもないのも寮付き求人の大きなメリットです。
そして、引っ越しに伴って必要になる家電などですが、相部屋などには共用スペースに家電が揃っているので新たに購入する必要はありません。
初期費用もかなり抑えられるので、仕事を始めるまで貯金がなかった人にも安心して入居できます。
寮付き求人のデメリット
次にデメリットの紹介ですが、大きなメリットの反面で制限がある場合も沢山あります。
このあとの紹介でメリットとデメリットのバランスを考えて、ご自身のライフスタイルに合わせて選んでいくことが重要です。
寮付き求人のデメリットは以下の通りです。
- 住む環境が悪い場合がある
- プライベート空間が確保しにくい
- 人付き合いが難しい場合がある
- 仕事を辞めると追い出される
- 周りに娯楽がない場合がある
住む環境が悪い場合がある
寮の中の環境選びは非常に重要です。
寮の環境は企業によって異なりますが、共有スペースであるキッチンやトイレ、お風呂などの掃除が行き届いておらず、衛生上あまりよくない環境にある寮も存在します。
また、お風呂の時間が被ることがあったり、トイレに行きたいタイミングが被ってしまって、我慢することになるなんてことも多々あります。
築年数がかなり経過している場合には、建物自体がボロボロで虫が入ってくることや、壁が薄くて夜眠りにつけないなど、様々なトラブルが起きやすいです。
寮によってはそういったトラブルを回避するため、お互いに迷惑が掛からないように門限や独自のルールがあるため、自分の行動に制限がかかることもあるので注意が必要です。
私自身が経験したものには「禁煙」だったり、「夕飯は一緒に食べる」などがありました。
事前に担当者などに確認が取れる場合、下見なども含めて聞いてみるのがオススメです。
プライベート空間が確保しにくい
相部屋だった場合、プライベート空間を作ることは難しいと考えてください。
相部屋は1部屋を複数人で生活している状態なので、常に上司、先輩、同僚がいるということです。
つまり、寮の中を1人で過ごすことは自分以外が全員出かけている、または出勤している状態でないと難しいのです。
1人の時間がどうしても必要という方には相部屋の寮はかなりつらいと思います。
また、相部屋ではなくても、一歩外に出れば職場の人に出会うかもしれないので、気軽に外に出るときにも気が抜けないなんてこともあります。
出かける際に上司に「どこにいくの?」なんて聞かれたら、なんだかドキッとしますよね。
人付き合いが難しい場合がある
メリットでは気の合う仲間と出会う機会があるというお話をしましたが、その反面気が合わない人と相部屋になった場合、かなり大変な思いをする可能性があります。
気が合わない人、もしくはあまり仲が良くない人と一緒に同じ部屋で生活するのを想像してみて下さい。結構大変だと思います。
そうならないように小さめの寮に入る場合はある程度コミュニケーション能力が必要です。
常に良好な人間関係を作れるように努めれば、あなたを嫌いになる人はいないはずです。
コミュニケーションをとるのが苦手な方にとっては、良い環境とは言えませんが、貯金をするためと考えて、我慢している人も多いようです。
仕事を辞めると追い出される
仕事が決まる同時に住居も決まるということは仕事を辞める際には寮からでなくてはなりません。
今では中々クビになるということは少ないかもしれませんが、どうしても仕事を辞めたいという場合は実家に戻る場合を除き、ご自身で次の住居を探さなければいけません。
さらにお世話になった先輩や同僚にも挨拶をしてから寮を出た方が印象も良いと思います。
そう考えると寮から出るには荷物の移動や次の物件探しなども含めて、かなり想像よりも時間がかかると考えるほうが良いと思います。
現在は物件を見つけたからといってすぐに入居できるというケースは少ないので、ある程度、物件探しと入居準備期間を設けてから退職すると困ることはないでしょう。
または、事前に「もし退職をする場合」にどれくらい寮に残れるのかを聞いたり、調べたりするのがオススメです。
周りに娯楽がない場合がある
寮付き求人の中には、職場が山奥や、地方の場合に寮の周りに娯楽施設やコンビニ、スーパーマーケットなどがない場合があります。
娯楽施設がないと休日にやることがないという方も多いと思います。
ご自身でできる趣味やゲーム機などを持っていき、休みの日を過ごすという方は大丈夫かもしれませんが、相部屋だった場合、他の人もいる中で、1人でできる趣味に集中するのは難しいと思います。
また、コンビニやスーパーマーケットがないと食材や消耗品を買うのが大変です。
車を所有していて、寮に車を停めても大丈夫という場合はなんとかなるかもしれませんが、そうでない場合は何かあったときに対応ができないこともあります。
職場が山奥や地方になる場合が多い職種は以下の通りです。
- 工場勤務
- ホテルや旅館
- 介護施設関係
こういった職種を考えている場合は事前に場所を教えてもらい、周辺の施設を調べておくことをオススメします。
寮付き求人に申し込む前に
ここまでで、寮付き求人での数多くのメリット・デメリットについてお話しましたが、あなたにとってメリットとデメリットのどちらが大きいのかを判断して決めることが重要です。
そして、この記事を見たあなたにとってよりよい条件で働いていただきたいと思っております。
そのうえで実際に申し込む際に以下の確認ポイントについて説明していきます。
- 事前に部屋などを調べる
- 一緒に住む住人について確認する
- 住む場所のルールを把握する
- 寮付きでかかる費用を把握する
寮付き求人に申し込む際には、どれも大事な確認項目ですので必見です。
事前に部屋など環境を調べる
一度、申し込みをする前に「企業名」と「寮の間取り」についてインターネットで検索をかけてみましょう。
例えば、「○○工場 寮 間取り」や「株式会社○○ 寮 口コミ」など企業側が公開していなくても、情報が出ている場合があります。その情報の中に相部屋なのか1人部屋なのかなども併せて出てくると思います。
企業によっては複数タイプ分かれている場合もあるので、その場合は申し込みをする際にどの住居タイプが良いのか希望を出してみましょう。
もし、インターネットに情報が出ていない場合は企業の採用担当者の人に聞いてみるのもありだと思います。
一緒に住む住人について確認する
次に重要なポイントは一緒に住む人たちについて確認することです。
一緒に住む住人によっては、あなたの生活に大きな影響を与える可能性があります。
しかし、残念ながらインターネット上で調べることは難しく情報を公開している企業は少ないですが、口コミなどを見て大体の年齢や男女どちらが多いのかは判断することが出来ます。
ご自身の年齢と照らし合わせて、価値観や気が合いそうな人がいないか見てみるのも一つの手です。
一番確実なのは、やはり採用担当者に確認をするか、先輩や知人に聞いてみて、応募しようとしている寮の経験している人に話を聞けたら、かなりラッキーだと思います。
他にも少し面倒な方法ですが、実際に寮がある場所に行ってみてどのような人が出入りしているのか下見しに行くという方法もあります。
住む場所のルールを把握する
次は住む場所のルールを確認しておくことです。
以下は一例ですが、事前に確認することでご自身のライフスタイルに合う寮を選ぶことが出来ます。
- 禁煙、分煙
- ペット飼育不可
- 恋人を連れ込まない
- 当番制で掃除がある
- 門限がある
- 来客時の対応
最低でも門限の有無や来客時の対応については確認しておくと良いでしょう。
ペットを飼われている方はペットの飼育が可能かは必ず確認しておきましょう。
確認方法はインターネットに載っていると思いますが、不安であれば採用担当者に確認してみるのもありです。
自分に最適な寮を選択することでストレスのない生活が送れると思います。
寮付きでかかる費用を把握する
次は寮に入るうえでどのくらい費用がかかるのか確認することです。
寮付き求人の最大のメリットは生活費を安く済ませられることです。
そのメリットがどれくらいの金額を補助してくれるのかはとても重要になるので、要確認です。
寮生活でかかる費用(1か月あたり)
- 家賃・光熱費:数千~3万円
- 食費:3万円
- スマートフォン通信料:数千~1万円
一般的には家賃は数千~3万円ほどですが、中には「固定で家賃は○○円です!」という企業もあります。
家賃の○○%を補助します!と記載している企業もあるので、収入に対して、家賃がいくらかかるのか計算することで、どれくらいの金額を好きに使えるのか判断しましょう。
また、電気・ガス・水道などの費用は補助してくれる企業とそうでない企業があるので、より生活費を安くしたい場合は、小さな出費も抑えておくのが節約のプロです!
食費に関しては、食堂がついている寮は一食当たり、普通よりも安く食事を提供してくれるため、安くなる可能性があります。
食堂の有無に関しても確認しておきましょう。
一般的には家賃や光熱費など企業から補助を受けているものは給料から天引きされているはずなので、どの項目がどれくらいかかっているのか明細を見れば確認ができます。
まとめ
寮付き求人はメリットがとても大きい反面、忍耐力やコミュニケーション能力が必要なことが多いです。
寮付き求人の応募を考えている方はメリットとデメリットのバランスを考えて自分が許せる条件を探し、必要であれば下見や事前に調べておくことがとても重要です。
こだわりが強い人にはあまりオススメはできませんが、寮のルールが守り、個人で使うものをしっかり用意して対策しておくことで、ストレスを感じにくい生活ができると思います。
何かの目標に向かって貯金をしたい方や職場との繋がりを強く持ちたい方にはかなりオススメです。